Sunday, August 18, 2019
  |  Login
 

 BlogList Minimize

              
 

 Search Minimize

              
 

 About Minimize

Rental Space Atelier M
〒123-0845
東京都足立区西新井本町1-13-14
e-mail:atelier@enplan.jp

アトリエMは、絵画・石膏デッサン・陶芸など様々な制作活動のスペースとして個人でもサークルでも気軽にご利用いただけます。電気窯もございますので焼成サービス(有料)もしております。その他、カメラ撮影スペース、会議室、絵画教室としても…是非ご活用ください。※作陶スペースとしてもご利用いただけますが、基本的に絵画制作向けのフローリングのアトリエとなっておりますので事前にご相談ご見学の上、ご利用ください。

Twitterボタン
Twitterブログパーツ

貸し教室・貸しアトリエ

ホルベイン アーチストナビ

              
 

 Atelier M blog Minimize

埴輪の素焼き

6 12

Written by:
2009/06/12 11:10  RssIcon

以前、お問合せを頂いていた方で、埴輪を焼くとのことで少し大きめ(高さ30cmくらい)の窯を希望されていたのですが、たまたまそれくらいの窯を入手できましたので早速利用して頂きました。

持ち込まれた埴輪を見せていただくと、ほぉ~これはかわいいですね。オリジナル作品だそう。これは欲しい人も結構いるんじゃないでしょうか。

この窯では試作品の土鈴の素焼きを一度やってみただけですし、初めてのお客さまで失敗は許されませんので、土の種類や乾燥の具合など色々と聞いて情報を収集します。土はテラコッタだそうで、未経験なので焼成温度などを後で調べないといけません。乾燥は充分そう。

とりあえず、週末に焼く予定で、焼きあがったらメールで連絡することで4点ほどお預かりしました。

さて、まずデータを収集しないといけません。インターネットでテラコッタを検索します。Wikipediaによるとどうやら焼成温度によって色が変わるようです。これは注意点ですね。温度は800度くらいが多く見られるか・・普通の素焼きくらいかな。
ただ情報量が少なかったので更に調べて見ますが、あんまりデータがありません。陶芸材料店で見ると700~800度とかもありますが、1000度以上のものもあったりして特に決まっているわけではなさそう。まあ出土した埴輪は野焼きでしょうからそんなに高温で焼成したとは思えないのでやはり700~800度が無難なところかなと思います。

次に埴輪の作り方を検索してみます。テラコッタであること、素地の肉厚が結構あること、大きいもので高さが30cmくらいある陶芸としては大物といってよい大きさであることなどから、焼成時に割れることが一番の注意しないといけない点です。

検索してみると、野焼きした場合やはり結構割れるようです。割れるというか水分で爆発したりするとか。とにかく乾燥をしっかりし、温度をじっくり上げていくのがよいようです。普通の土で大物の土人形を焼く場合の焼成パターンを見てもほぼ同じで、肉厚が増えるほど低温域でのあぶりの時間を長く取るのが良いようです。

これで、焼成パターンの大まかな方針は決まりました。

さて次は窯の温度特性を測らないといけません。窯にはパワーを変更するダイヤルが2個ついているのですが、肝心の温度が書いてありませんので、どの目盛りの時にどの程度の温度になるというデータがないと怖くて焼くことができません。それに今後のことを考えてもパターンをとっておく必要があります。ということで、窯を空焚きしつつ、ネットで購入したばかりの1400度まで測れる簡易型の熱電対型温度計を挿入して基本15分毎に温度の変化を測定してみました。これが結構時間がかかってしまい、ほぼ一晩中かけてなんとか850度くらいまでのデータを取り、更に低温領域での調整データが欲しかったので再度300度くらいまでのデータを取ってようやく傾向がつかめました。

さあ、いよいよ本番です。傾向はつかめたものの、実際の焼成パターンにまではなっていないので、そのあたりは再度付きっきりでデータを取りながら調節することで進めることとしました。パターンが完成したらもう少し目を離しても大丈夫でしょう。最高温度は750℃としました。

空焚きの際の反省として、目標となる温度がないと調整しにくいことから基準となるデータを設定します。EXCEL上に単純に1時間に80度くらいの直線を800度まで引いてグラフ化します。実際にはあぶり期間などもあって直線ではありませんが、このグラフの傾きから遠く離れなければ失敗はないはずです。

窯の電源を入れるとすぐに温度が上昇し始めます。低温域の細かな調整はパワー調節ではできないので色見穴や上蓋の開閉で調節します。150度くらいに温度が上がった時点で3時間程度あぶりをし、その後、色見穴をふさいだりしながら徐々に温度を上げていきます。あぶりが終って色見穴を塞いだ後はパワー調整だけで温度を上げるようになりますが、とにかく急激に温度が変わらないように注意しながら少しずつ調整します。測定データをプロットしたグラフを見ると、我ながらきれいな温度カーブが描けています。600℃を超えたあたりであとは設定の変更の必要もなくなり待つだけになりました。もう夜中の3時くらいですのでウツラウツラしていたところ、カチャーンという音(オートンコーンが曲がって電源のスイッチが落ちる音)でビックリして目が覚めました。最高温度に達したようです。

急冷しないように急いで最後まで開けていた色見穴を塞ぎます。後はさめるのを待つだけ。あっ!最高温度がいくらだったのか測るのを忘れていました。しかたない。次回測りましょう。ということで寝ることにしました。

一夜あけて様子を見に行きましたがまだまだ暑い。200℃近くあります。もう少し冷ましましょう。ということで100℃を切ったあたりを見計らって少し中を見てみることにします。そぉーっと開けてみると、よし!割れてない。ん?でも思ったより色が濃いな。本当にレンガっぽい色です。そのあたりはよくわかりませんが、とりあえず蓋を閉めて、お客さまに焼き上がりの連絡をしました。

翌日、早速に引き取りに来られました。色も特に問題ないようで喜んでいただけました。その際に取らせてもらった写真を載せておきます。どうでしょうか?かわいいでしょ。

 

埴輪はまだまだたくさんあるようでこれからも利用していただけそうです。今回は温度データを取るため付きっ切りでしたが、もう少し慣れれば目を離しても大丈夫でしょうし、土鈴と混焼しても問題なさそうです。素焼きはスペースが空いているよりも詰まっている方が温度変化が少なくて良いようなので、次回は是非そうしたいと思います。

本焼きはまだデータが取れていませんが、素焼きに関してはほぼ問題ないと思いますので是非ご利用お待ちしております。

Tags:
Categories:

Your name:
Gravatar Preview
Your email:
(Optional) Email used only to show Gravatar.
Your website:
Title:
Comment:
Security Code
CAPTCHA image
Enter the code shown above in the box below
Add Comment   Cancel